2017.04.09
世の中には、犬が好きな人、猫が好きな人といるけれど、日本では飼育数で見ると、ほぼ同じ数だとか。 共に約一千万頭に少し欠けるくらい。 長年犬の方が多かったのが、高齢化で犬の散歩が負担になってきたのか、その頭数はぐんぐん減り続け、来年あたりには猫に抜かれる様子。
当番もかつて、米国で暮らしていた時代に、犬2匹、猫10数匹と住んでいたことがあります。 これだけの数の猫を家の中で飼っていると、朝の起きがけの寝ぼけ眼の時には、突然悲鳴が上がって、本当に『猫踏んじゃった』をやっていました。
その10数匹の猫たちのほうには乾燥したキャットフードを与え、彼ら彼女らは喜んで食べていました。 一方、2匹の犬はアイリッシュ・セッターなる中型犬でもあったので、缶詰の肉系のドッグフードを食べてもらっていました。
そんなある日、1匹の猫がこちらが缶詰を開けてドッグフードをお皿に盛ると、すぐに飛んでくるようになりました。 これはワンちゃんの食べ物だから、あっちに行って!と追い返しても、追い返してもやってくる始末。 仕方なく、ワンちゃんに餌をやっていた部屋のドアを閉めて、入れなくしましたが、それでもそのドアのところにいて、その猫ちゃんはクンクンとやっているのでした。
それから2週間ほど経ったでしょうか、くだんの猫ちゃんが絨毯の上でくるくると数回廻ったかと思うと、その場で子猫を3匹出産したのでした。 初めて立ち会う、猫の出産でした。
あっけに取られてその様子を眺めていると、母猫が出産と一緒に後から出てきた自分の胎盤を食べ始めるではありませんか。 動物は出産後に自分の胎盤を食べる、と話には聞いていたものの、実際に目撃したインパクトは半端ではありません。
猫は育児書を読む訳でもなく、自分の母猫から教わった訳でもないでしょうに、自然にそういう行動をとる神秘に打たれてしまった訳です。
と同時に、『そうか、あの猫があれほどまでに、ドッグフードを食べたがっていたのは、妊娠していたからなんだ』と、がてんがいきました。
この体験は、当番にとって大きな大きな教訓となりました。
その1:人が何かを欲するというのは、よっぽどのことなんだ。 だから希望があったら、まずそれを実現出来ないか、から考えようと。
その2:体は何が必要か常に伝えてきている。 頭で考えたことや知識だけに頼らず、その声が聞こえるような心の状態を保てるように生きていたい、と。
それには、心や意識を透明にして、大自然の至高の産物である身体の声と直接つながる『静坐』がいいのだと、改めて納得。