2017.12.08
俳優のレオナルド・ディカプリオは1年間にわたり、国連の平和大使に任命され世界中の様々な土地を訪ねて、環境変化(環境破壊?)の様子を、直接目の当たりにする機会を得ました。 その様子は、『地球が壊れる前に(原題”Before The Flood”で2016年リリース)』としてドキュメンタリー映画になっています。
何十億年の地球の営みによって『炭素』が地下に閉じ込められたお陰で、私たちが平均気温15度という今の生活を地上でおくれている訳です。 炭素の塊とも言える、石炭、石油、天然ガスを使う行為は、地表の環境を哺乳類さえ住めなかった太古の昔の状態に、超急速に巻き戻していることなんですね。 こちらの日記でも以前に、なぜ地球温暖化がそれほどまでの一大事なのかを書きました。
当番が一時期、あるハイブリッド自動車の開発にゼロから関わっていた時のお話。 ちょうどデカプリオが、世界で最初に市販されたプリウスというハイブリッド車を自家用車にして、ハリウッドの街を乗り回していることが話題になっていた頃です。
エンジンとモーターで走るハイブリッド自動車は、ガソリンの消費を少なくして温暖化を少しでも緩和すると期待されていた訳です。 モーターは電気で回るので、車の上には大きなバッテリーが必要になります。 当時はニッケル水素タイプというバッテリーでしたが、これにはメモリー効果と呼ばれる弱点がありました。
携帯電話やスマホを使っていると画面の上部にいつもバッテリーの残量が表示されると思います。 毎晩、夜寝る時に充電台に載せている人は多いことでしょう。 長年使っていると、どうも電池の減りが早くなったと感じることはありませんか? 充放電の繰り返しで、容量が減っている証拠です。
ハイブリッド自動車でも、バッテリーにどれだけ充電されているかは大事なので、ディスプレーにバーの数などで表示されます。 ところが、この充放電を何回を繰り返していると、簡単に言うとシステムが混乱して、電池の残量がどれだけだったか正確に分からなくなってしまうのです。
そこで、車の走行中に運転手さんにはわからないうちに、バッテリーの残量をゼロまで放電させて、そこで充電量の基準をリセットさせているのでした。 そうして、充電量の正確さを維持する仕組みになっていました。
私たちも毎日の忙しい生活の中で、気持ちの”充放電”を繰り返していると、頭の中がグシャグシャになってしまうことがあります。 そうなると、イライラしやすくなったり、それまであまり気にならなかったことがとても気になったりと、生活の快適さが失われていきます。
静坐や瞑想というのは、私たちの”基準点”を再設定する毎日のリセットなんですね。
因みに今のスマホは、リチウムイオン電池という別のタイプのバッテリーが使われており、継ぎ足し充電しても影響は少ないものになっています。 それでも、夏に車のダッシュボードに置いたり、陽のあたる窓際などに置いて温度が高くなると、バッテリーの寿命は短くなるので気をつけるとよいですね。