2018.01.18
冬にお布団に滑りこむと、『ひゃっこ〜い〜』とその冷たさに、寝つけなくなったりしてませんか?
手足が冷たくて『冷えとり』のソックスを重ねばきしている人たちにとって、冬の寝床は難敵かも知れません。 就寝前に湯たんぽにお湯を入れて、寝床を温めておく習慣の方もいることでしょう。 以前にこちらの当番日記でも冷えとりを取り上げました。
そんな方にご質問。 『豆炭』ってご存知ですか?
これは寒い冬の寝床をほぼ一晩中温めてくれる強力な助っ人です。 これを使い始めたら、あの湯タンポは何だったのか、となってくること請け合いです。 勿論、お湯を注ぐだけで良い、という湯タンポの簡便さは貴重であることは言うまでもありません。
冒頭の写真が豆炭の現物ですが、これだけでは使い方が不明です。
まずはバーベキューなどで使う掴みハサミ(トング)を用意します。 それで豆炭を掴んで、家庭のガスコンロで火を点けます。
火がついたところで、特製の『アンカ』の中に落とし入れて、後は蓋をして、布で包むだけ。 これでほぼ一晩中、ホカホカが続きます。
以前に冷え性の方にこれをお伝えしたところ、『貴方から参考になったことはほとんどなかったけれど、豆炭を教えてもらったことだけは感謝する。』とお褒めなのか、そうでないのか良く分からないコメントをいただいたこともあります。
この豆炭を入れた”アンカ”は、当番の子供時代の冬のお供でした。
電気コタツが普及する以前の話。 昔ながらの掘りごたつであった我が家では、夕方になると祖父が七輪に薪をくべて火をつけ、その上で練炭というものに火をつけていました。 それがコタツの熱源なのでした。
そして、その際、練炭の上にこの豆炭を置いてくれて、そうすると同時に豆炭にも火が入る、という仕組みでした。
夏をむねとして作られた、密閉の良くない日本家屋では、冬は隙間風が入ってきたりで寒いことこの上ないものでした。 それでも、この豆炭アンカのお陰で暖かく床につくことが出来たという、温い子供の頃の記憶があります。
揃えるものは次の3点のみ。
*豆炭用のあんか:メーカーは、ミツウロコ、品川あんか、十全あんかの3社です。
*豆炭(マッチでも着火出来るタイプが1個40円程度で実用的です):スーパーマメタンの商品名で出ているものは、マッチで火がつきます。 ガスの火で点火することを厭わない方には、1個20円程度の通常の豆炭も使えます。
*炭つかみ:これはマッチで着火するタイプの豆炭でなく、ガスで火を点ける必要のある豆炭を使う場合の必需品となります。トングという一般名称で販売されています。
湯たんぽで暖かく過ごしていた人が、豆炭アンカ生活に移ると元には戻れないかも知れません。 何しろお湯を入れた湯たんぽは、温度が下がる一方ですが、豆炭は燃焼し続ける為に熱量が落ちないでむしろ上がります。 これで寒い冬の夜でも、身体を緩めて、ゆっくり眠れること請け合いです。
窓のない地下室で生活していた時にはロウソクの灯りに感動していた人が、そのロウソクを持って地上に出たところ、太陽光の下で『この灯りにあんなに感動していたのか』と自覚することに似ているかも知れません。
太陽は誰でも気づくことが出来ますが、見えない大きな大きな光もあります。 北極星が不変不動の目印となるように、そのまばゆい光の方を目指して生きたいものです。