静坐/瞑想を始められた方へのエール

2018.02.05

羽生永世名人と井山名人

羽生永世名人と井山名人

囲碁と将棋プロの第一人者が、それぞれ国民栄誉賞を受賞することが決定し、今月の2月13日に授与式が行われます。
 

将棋のプロ棋士約100名の頂点に立つ羽生善治永世名人と囲碁プロ棋士300数十名のトップに君臨する井山裕太名人が受賞者です。 これまでの23名、1団体の受賞者はスポーツと芸能関係者だけだったので、今回は異色の受賞者と言えましょう。
 

昨今はプロ入りして驚異の29連勝した中学生棋士藤井聡太五段の話題などで、将棋に関心が出て来ているようです。
 
当番が子供の時代はまだゲーム機などが登場する前なので、男の子は空き地で野球をするのと将棋がもっぱら放課後の遊びだった時代でした。
 
将棋の面白さは、覚えてすぐの小学生の当番にもわかり、友達の家の縁側で将棋を指しているとそこの家のお父さんが将棋盤を覗き込んで『坊主、その手は待ったしろ』などと声をかけれらた覚えがあります。
 

また、将棋のトップクラスであるA級のプロ棋士が家の斜め前に住んで道場を開いていた、という偶然も重なり、中学生になった頃に友達数人とその道場にも通ったものの、周りの人が強すぎて、面白さを逆に感じなくなったものでした。
 

一方、ご近所に大学生がたくさん下宿しており、小学生の当番はそういう学生さんたちが、夢中になって囲碁を打っているのを何度も目撃していました。 しかし、そちらは覗き込んで見ていても、白石と黒石を並べることの、どこが面白いのやらまったくわかりません。 この囲碁のトッププロが最新のAIに勝てなくなったことはこちらのブログで以前に書いたことがあります。
 

ところが中学生のとある夏休み、囲碁の教本を読んでいた際に『右に打ちたければ、左に打つ筋』という説明に遭遇し、それが目から鱗となり、そこから俄然囲碁の面白さに目覚めたのでした。
 

それから高校に進学して念願の野球部に入部した当番でしたが、入部届けを出して部室に行くとどうにも閑散として様子がおかしい。 なんと新人部員はわずか3名で、上級生を全部含めても1チーム9名に足りないので、他の部の人に応援に来てももらわないと対抗試合も出来ない状況に唖然。 いきなりボールは触らせてもらえるわ、バッティング練習までやらせてくれる。嬉しいというより、愕然としてしまい、1週間で退部。 人生第一の挫折となりました。
 

高校生囲碁大会

(日本棋院提供)

その敗北感を何で埋めようかと考え、スポーツを切り替えて、あの面白さに目覚めていた囲碁をやってみようと思ったのでした。 そこで入部した囲碁将棋部は、前年の団体戦の将棋で全国優勝していた超強豪チームでした。 ところが、こちらは囲碁をやりたくて入ったのに、全員が将棋をやる為に入った生徒ばかりで、囲碁の相手が一人もいない。 だったら、囲碁将棋部と呼ぶな、とツッコミを入れたところで後の祭り。
 

仕方なく、将棋のお相手をさせられてコロコロを負かされる日々となりました。 そこで気づいたことは、将棋って先手番の人が有利なゲームではないの?という素朴な疑問でした。 囲碁は先番になる人がコミと呼ばれる6目半のハンデを持つので、先手でも後手でも不公平感はほぼ無し。
 

ところが、王様を先に取った方が勝ち、という将棋は、先手の方が有利に決まっていると思ったのでした。 先手が相手の王様が逃げられないようにした時に、後手番の人も一手違いで相手の王様を逃げられないようにしたら、引き分け再勝負という風にしない限り、先手の有利は埋められないはずです。
 

トップ棋士である渡辺明棋王は、『自分対自分で指したら、6対4ぐらいで先手が勝つのではないでしょうか。』と発言したのを後年知って、やっぱりそうだったのか、と思ったことがありました。
 

静坐/瞑想を始めた人へのエールのタイトルに惹かれて読み始めたところ、すっかり囲碁と将棋の話になっていますよね。
 

実は静坐/瞑想は囲碁のように、その魅力を感じるようになるのに時間がかかる、ということを言いたかった次第です。
 

体を動かし、汗を流してスッキリする。 これはわかりやすいです。 将棋の取っ付きやすさに似ているかも知れません。
 

ところが静坐や瞑想は、起きてる最中に目を閉じて座ったままジッとしている。 頭の中では色々な考えが浮かんでは消える。 こんなことをしていることの意味がわからない。 そんな感想を抱いて、興味を失う人が少なくないかも知れません。
 

当番も囲碁の面白さになかなか出会えずに、それでも諦めなかったのは、目を輝かして碁盤に夢中になっている大学生の姿を見ていたからかも知れません。
 

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