こないしたら”冷えとり”出来るやて、びっくりポンや!

2016.03.21

スクリーンショット 2016-03-21 16.04.30 最終回まで残りあと2週間となったNHKの朝ドラ「あさが来た」のヒロインを演じるのは、波留という俳優さん。 この方、筋金入りの冷え症だとかで、ドラマの収録中も明治時代ですから、女性は着物姿ですが、その衣装の下にレッグウォーマを2枚履いて、さらに5本指ソックスを履いてその上に足袋。 本人曰く「お風呂から出たらパンツより先に靴下を履来ます。それくらいいつも足が冷たいです。夏も腹巻してますし、(着物の衣装で収録中の)今もしています」と。

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これを聞いた多くの人は、あ~この女優さんは、『冷えとり健康法』というのをやってるな、と思ったことでしょう。

これは、昨年12月23日に放送された、冷え症克服がテーマの”ためしてガッテン”というNHKの番組でのこと。 この21年間続くお化け長寿番組で、冷え症対策は何度か取り上げているそうですが、決定打が打ち出せないでこれまできたのだとか。

それで今回は、専門家の枠をぐっ~と拡げて知見を集めようということにして、趣旨に賛同してくれた29の学会(麻酔学会、照明学会、獣医学会、神経学会、生理人類学会、産婦人科学会、循環器学会、ect.)から会員のメールアドレスを入手して、それらの会員延べ25万人に、冷え症はどうしたら改善すると思いますか?と一斉メール問合せをしたそうです。

このアプローチには、いたく感動しました。 世の中に健康関連の一般向け啓蒙書はたくさん出ていますが、一番よくわかっていらっしゃるのは、基礎研究をやっている方々の場合が多いです。 ところがそういう方々は、滅多に一般向けの本を出したり、雑誌に登場したりしない、というのが個人的な感想でした。

そんな突然メールでも、多くの専門家から多数の回答が寄せられたそうです。 それら数千件の回答を全て読んだ上での、結論は:

交感神経を緩めればいい

これでした。

そう、リラックスすればいいと。 そんなことは皆わかっているわけですが、どうしたらリラックス出来るかが、それがわかれば世の中にこんなにも冷え症の人はいないはず。 靴下を4枚重ね履きしたり、半身浴したりしている人は、私たちの周囲にもいますよね。

番組で紹介された具体的な方法は次のようなものでした。

(1)太ももに手を当てて座り、(2)心の中である考えを繰返し唱える。 それだけです。

太ももに手を置くのは、もともと暖かい場所なので、手が少しでも温まり、『自分の手は暖かいんだ』、という安心感を生んでリラックスするのだとか。

交感神経が亢進していると、確かに毛細血管が収縮して、手足の先に血が行かなくなって冷えるだろうな、とは容易に想像できます。

 

ちょっと話が逸れますが、なぜ女性に冷え性が多いかと言うと、一般論ですが、女性は外に出ると男性以上に緊張するからです。 都会の朝の満員電車に乗って出勤する女性は、緊張することがあるでしょう。 自律神経がそう反応してしまうので、仕方ありませんね。

あさが来たのヒロインが演じた実物の浅岡広子のように女性が社会進出し始めたのは、この100年くらいです。 それでも当時は超少数派だったので、ドラマにもなるわけです。

それ以前の人類700万年の歴史でも、女性は家に近いところで家族や近親者に守られて、あまり緊張しないでよい状況の中で出産や子育てをしてきました。 勿論、女性の社会進出は是非推進すべきことですが、それとセットで交感神経の緩め方が供給されてこなかったので、冷え性の女性がこんなにも多いのだと思っています。 勿論、男性にも冷え性の人はいますが、比率的に女性が多い、というのは事実でしょう。

 

さて、2つ目の方は、心の中で次のようなことを繰り返し思ってください、と言われます。

1.気持ちが落ち着いている 2.両腕が重たい 3.両足が重たい 4.両腕が温かい 5.両足が温かい そして最後に伸びをする

これを1回5分で、1日3回やリます。

青いほど冷たく、赤いほど温かい

青いほど冷たく、赤いほど温かい

波留さんは、この通り1週間頑張ったそうです。 その結果:

すっかり冷え症が改善していました! 氷水に手を入れてそれから出した後に、どの位の時間で手の温かさが回復するか、というテストでも正常になっています。 ガッテン流に言えば、凄〜い! 波留さんが、びっくりポンや、と言ったかどうかは定かではありませんが。

手がみるみる温まった!

手がみるみる温まった!

心の中で気持ちが落ち着いている、とか繰り返す方法は、番組ではその名前を敢えて言いませんでしたが、今から80数年前にドイツの精神科医が提唱した自律訓練法(AT)と呼ばれるものの一部です。

それはそれで効果があったので素晴らしい限りです。

ここまで読んだ方ならお分かりのように、静坐をすればもっと簡単にリラックス出来ますよ〜、と言うことを言いたかった訳です。

 

いつもこの当番日記は、我田引水で終わる、なんて思う方いるかも知れませんね。 そういう意図はありませんが、静坐が効くことは確かなので、そうとしか言いようがありません。

体は動かすことで鍛えられ、柔軟性が増します。 心はその真逆で”動かさない”ことでしなやかに強くなれます。

ですから、考えようとしない方がいいのです。 静坐はその意味で”心を動かさない”方法であり、その副産物としていつの間にか、交感神経が緩んでいくんですね。
 
©天空庵

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